設備投資に税金優遇!中小企業経営強化税制・E類型で工場・建物の即時償却/税額控除が可能に
設備投資の節税につながる優遇制度が新設されました。
会社とオーナーにお金を残す専門家、芦屋税理士会計事務所の代表・橘 篤です。
今回のテーマは、令和7年度(2025年度)から新設されている「中小企業経営強化税制E類型(経営規模拡大設備)」の制度の概要をご紹介します。
E類型は従来の税金の優遇措置と一線を画す
これまでも製造業を中心に広く活用されてきた経営強化税制。
経営力向上計画を作成し、計画の認定を受けることで、設備投資の節税が実現できる、とても使い勝手のよい制度でした。
ただ、従来の中小企業経営強化税制(A~D類型)は、主に機械装置や工具器具などが対象でした。
今回新設されたE類型では、これまでとは対象設備が大きく異なり、バージョンアップしています。
対象に「建物」が追加
注目すべきは、対象設備に取得価額1,000万円以上の建物本体およびその附属設備が加わったことです(工場、物流施設、事務所などの新設・増設が対象)。
これにより、会社の財務状況によっては数百万規模の節税効果が期待できるようになりました。
対象となる企業は、前期売上高10億円超~90億円未満の会社で、
最低投資額は前期売上高の5%以上(又は1億円以上)が条件となっています。
受けられる節税につながる優遇措置
E類階の節税効果は、つぎの2パターンから選択できます。
(1)即時償却
取得価格の100%を一括で経費処理することができます。
例えば5,000万円の設備投資をすると、5,000万円を一括償却できます。
(2)税額控除
取得価格の10%を法人税から控除できます。
(資本金3,000万円超1億円以下の会社は7%)
(3)優遇措置の前提条件
「経営力向上計画」を作成し国からの計画認定をうけることです。
これにより、(1)や(2)の優遇措置を受けることが可能となります。
さらに、賃上げ達成で税金の優遇率がアップ
経営力向上計画の期間中に、以下の水準の賃上げを達成した場合、優遇措置が上乗せされます。
(1)給与総額が2.5%以上増加
特別償却15%または税額控除1%
(2)給与総額が5%以上増加
特別償却25%または税額控除2%
制度活用のための条件
この制度を活用するためには、以下の2点をクリアすることが条件となります。
①「売上高100億円を目指す宣言」の策定:事業拡大に向けた積極的な目標を掲げ、実現に向けたロードマップを策定し、公表することが要件となります。
②設備取得前の「経営力向上計画」認定:税制優遇を受けるには、設備を取得する前に、必ず経営力向上計画の認定(経済産業局の確認書取得を含む)を完了させる必要があります。
計画策定から認定までの標準処理期間は、経産局確認書と計画認定それぞれ30日程度かかるため、スケジュールを確認しながら進めていくことが重要です。
この他にも、設備投資には多くの優遇制度が用意されています。
中には投資以前に申請しておく必要がある制度もあります。
上手に制度を活用するためにも、税理士に事前相談されておくのがお勧めです。